こんにちは。投資家兼OLのレイ (@investment_rei) です。 GSGは注目の米国コモディティETFです。2022年は米国市場が不安定な状況が続いています。インフレが加速し、ウクライナ情勢も不安定要素となっています。そんな中で、手堅い値動きで脚光を浴びているコモディティETFについて解説します。
目次
コモディティってそもそも何?
コモディティとは一般的に「商品」を意味する言葉です。 コモディティ投資は、原油等のエネルギー、トウモロコシ等の穀物、金等の貴金属への投資です。
コモディティは現物に価値があるため、「実物資産」ともいわれます。 一般的な金融資産とは異なる値動きをすることが多く、分散投資としても効果が期待できます。
GSGとは?
GSGの正式名称はiシェアーズ S&P GSCI コモディティ・インデックス・トラスト(iShares S&P GSCI Commodity-Indexed Trust)です。多様なコモディティ銘柄に投資ができるETFになります。
- 設定日:2006年7月21日
- 運用会社:Black Rock
- 取引所:NYSE アーカ
- 保有銘柄数:25
- 純資産総額:USD 2,038,751,786
- 経費率: 0.75%
出展: BlackRock
コモディティETFには配当がありません。投資をする場合は、値上がりで利益を出すことになります。売買によって利益を獲得したい方に向いているでしょう。
資産構成
次にGSGがどのような構成のETFなのか?を理解するために資産構成について解説します。
資産構成
GSGの資産構成のタイプ別保有比率を確認しましょう。原油やガソリン等のエネルギーが65%以上を占めています。
Agricultureは穀物でトウモロコシや小麦、大豆等です。工業用金属は、鉄、アルミ、銅、ニッケルなどになります。Livestokとは畜産物で豚、牛等の家畜を示しており、PreciousMetalsは金に代表される貴金属です。
出展: BlackRock(2023年1月5日時点)
トータルリターン
GSGのトータルリターンはどのくらいなのでしょうか?短期の1年から長期の10年と設定来のリターンをみていきましょう。
直近1年では約24%とトータルリターンが非常に高いです。3年では約9%になっており、直近でGSGのトータルリターンが高騰していることがわかります。
- 1年:24.09%
- 3年:9.32%
- 5年:5.39%
- 10年:-4.27%
- 設定来: -4.96%
出展: BlackRock(2023年1月時点)
価格の推移
次にGSGの価格の推移をみていきましょう。ロシアのウクライナ侵攻が2月末に始まっており、米国のインフレ懸念とも重なりGSGへの投資が2022年春から多くなったと想定されます。2022年前半はコモディティETFへの投資熱が高まったことがわかります。2022年後半~2023年にかけては投資熱が落ち着いてきています。
・直近1年の価格推移(単位:ドル)
直近5年だと2020年の春にコロナショックで大きく価格を下げています。5年の単位でみると2022年の上昇幅がいかに大きいか分かりやすいです。
・直近5年の価格推移(単位:ドル)
出典:Google Finance (2023年1月7日)
コモディティ価格は上昇する?
コモディティ価格は今後上昇するのでしょうか?正確に予測することはできませんが、価格の上昇に影響を与える要素がいくつかあります。
インフレ懸念
2022年から米国市場ではインフレが大きな流れになっています。インフレは物価が上昇するので、現物であるコモディティも価格が上昇することになります。
現金の価値は相対的に下がるので、投資家がコモディティ関連の投資商品に資金投入するということもあります。インフレが続く場合は、コモディティ価格が上昇する可能性がでてきます。
ウクライナ情勢
ロシアがウクライナ侵攻をしたことで、両国の状況は混乱を極めています。実はロシアとウクライナは世界の中でも有数の資源国です。穀物ではロシアが小麦で世界4位、大麦で世界2位です。ウクライナは小麦世界7位、大麦世界5位の生産量です。
世界各国には原油と天然ガス、石炭をロシアから輸入している国も多く、ロシアへの経済制裁によりエネルギー価格も上昇傾向です。 コモディティは穀物やエネルギー等が構成しているため、ウクライナ情勢が長期化すれば影響がより大きくなります。需要に対して供給が戦争により追いつかなくなっていきます。
最後に
コモディティETFのGSGはいかがでしたか?米国市場が厳しい状況が続いていますが、コモディティETFも投資の選択肢の一つになります。配当がないのはデメリットですが、分散投資やインフレ対策になるのはメリットです。投資目的に合う場合は取り入れてみるのも良いでしょう。